BLAU DESIGN’s blog

前代未聞のモノを創る。モノづくり記録です。

世界一美しい鞄を創る。番外編:量産への道。後篇

前回までの記事はこちら

 

blau.hatenablog.com

世界初アルミフレーム削りだしのブリーフケースを量産するにあたり、

一番の課題であったアルミフレーム切削の予算も

関東精密の杉田社長の勇断で、アルミフレームだけではなく、他のすべての部品の削りだしも概ねクリアした。

 

残りの大物は革張りの外装とスウェード張りの内装だ。

 

展示会用のサンプルでは、革張りは孤高の革職人、大島さんにお願いし、

内装張りは孤高の老人、実母にお願いした。

 

大島さんには事前に「サンプルだけのお手伝い」と釘をさされ、

母には事前に「もう出来ない」と釘を刺された。

 

 

革工房に関しては、関東圏内で探しに探し回ってやっと大島さんのところにたどり着いた故、これからもう一度探すとしても、限度は見えている。

 

 

それでも一応、墨田区台東区を中心に電話をしてみるが

 

 

「あ〜?やらないよぉ」

 

「部品だけ納品とかはやらないね」

 

「あ〜?あんだって?(志村けんかっつうの)」

 

 

みたいな感じになる。

 

 

そもそも、革工房自体が少なくなってきており、たとえ空いていたとしても

ほんの数人の職人が手作業でこなすのが現状だ。

 

 

 

どうしよう・・・・・。

 

 

 

このままだとまずい。非常にまずい。

 

 

メイドイン・ジャパンを掲げるために海外製作はNG。

 

一応もう一度、孤高の革職人、大島さんを尋ねるも、

 

「ちょっと量産は無理っすねー」とやんわり断られる。

 

 

 

 

 

また八方塞がりだ。

 

 

 

 

 

 

帰りの車の中で落ち込んだ。

 

雨も降ってきた。

 

 

 

せっかくここまで来たのに、肝心な革の部品を裁断縫製してくれるところないとは。。。

 

 

 

 

 

視点が定まらないまま、視点は車内をさまよっていた。

 

 

 

 

 

ん?

 

 

 

 

 

 

ん??

 

 

 

 

 

 

車の内装って、革だらけじゃん。

 

 

 

 

もしかしたら、僕は探すところ自体を間違っていたのかもしれない。。

そうだよ、きっとそうだよ。

 

 

 

翌日から、グーグル先生に

「車 内装 革 加工 試作」

 

これを繰り返し、ヒットする会社に片っ端から連絡をしました。

 

 

ほとんどが、車の内装カスタムだけを仕事にしていたり、通常の内装縫製加工のルーティン業務しか受け付けていないところが多く、これにも数日間時間を費やしたが、1件だけ、話を聞いてくれるという会社が見つかった。

 

 

そこは、東京と埼玉の県境あたりに事業所をかまえ、全国に幾つかの工場をもっている、文字通り「有名高級国産車の内装縫製加工」を手がけている『N』という会社だ。

 

 

 私「(中略)と言う訳で、このブリーフケースの内外装の加工をしていただける日本の工場を探しているんです。」

 

 

N「事情はわかりました。実は弊社も、これまで通りの車の内装加工以外に、新しい分野の業務を見つけたいと思っていた矢先なんです。」

 

 

「そうなんですか?! ありがとうございます!」

 

 

N「ただ、いくつか、難しい部分はあります。まず、この表面の革のふくらみをどうやって表現するか。このサンプルはよく出来ていますが、量産時のプロセスでどうやってこれを安定させるか、何回か試作を繰り返さなくてはなりません。

 

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次に、表面の革とアルミの本体をどうやって安定して取り付けるか。これだけの高額製品で、デザイン的なクオリティーの高いものは、ある意味『自然状況下で革が絶対に剥がれてはいけない』と思います。

 

私たちも車の内装で接着剤は使っていますが、XYZ軸のそれぞれ、もっとも剥がれづらい接着剤から配合して作っていかなければならないと思います。

 

あとは、ハンドルの強度です。

一番荷重のかかる部分ですので、ここはデザインに影響のない用に、この数倍強度を上げないといけないと思います。」

 

 

 

おっしゃるとおり

 

 

 

ひとまず、展示会で使用した1stサンプルと革を貼っていないアルミのフレームを預けて、試作を待つことにしました。

 

 

 

それから待つこと2ヶ月。

その間に、ブリーフケースの箱を作る準備をしていました。

 

 

一般的に鞄を購入すると、そのブランド名が印刷された布の袋に入れられ、ショッパーと呼ばれる紙袋に入って購入者に渡されます。

 

しかし、ここまでの高額商品(・・・になってしまった)で、布袋はないでしょう。

 

ということで、箱を製作することにしました。

 

それも最上級の箱。

 

それは、インロー箱と呼ばれるシロモノ。

 

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箱の上下の間に、段差のラインが入るこの箱。

 

 

高いんです。 普通の箱の4倍くらいします。

 

 

ただ、価格に見合うだけの『見た目勝負』は出来ます。

 

 

 

鞄のサイズを送り、内装の緩衝材のスポンジを選び、抜き型をつくり

箱を完成させます。

 

 

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そして、箱の表面にはエンボスのシルク印刷を。

 

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インロー箱も完成し、量産品を受け入れる準備が出来ました。

 

 

 

 

箱の準備が出来たところで、革の内外装をお願いしているN社から連絡があり、

早速翌日に伺いました。

 

 

 

N「いやぁ、お待たせしました。やっと革とアルミ、XYZ軸でかなり協力な接着剤を作ることが出来ました。」

 

 

そこには12種類の接着材で、それぞれ接着されたサンプルが並んでいました。

 

 

N「これで、滅多なことでは革はフレームから剥がれないと思います」

 

 

 

ありがとう。助かりました。

 

 

 

でもこの二ヶ月間でそれだけ?

 

 

 

とは言え、ここでN社の機嫌を損ねては、元も子もないので、

 

 

「ありがとうございます。第一関門クリアですね!それで、次の行程、というか、

実際に鞄としての形になるのはあとどれくらいかかりますか?」

 

 

N「そうですね、あと二ヶ月くらいはかかると思います。」

 

 

「いや、ダメダメ、ダメです。せめて後1ヶ月で仕上げていただけますか?無理は承知です。。お願いします!」

 

 

N「・・・・。」

 

 

「こうしている間にも、費用が積み重なってきますし、なんとか少しでも早く仕上げて頂きたいんです。」

 

 

N「・・・わかりました。できるだけ早く仕上げるようにします。」

 

 

 

 

 

機嫌悪くならなかっただろうか・・・。

 

 

 

 

 

ただ、本当に一日何もなく終わると、それだけで数万円が溶けていく。

このプロジェクトを始めてすでに18ヶ月も過ぎようとしている。

 

展示会用のサンプル、展示会の出展費用、それらに関わる活動費用など多額の出費があった。

 

その間、当然売上と言うものはなく、次第に会社の資金も枯渇していった。

 

出来る限り、会社で要する経費も節約した。

 

例えば、革をアルミに接着する際に、それを数日間押さえる「治具」と呼ばれるものも、N社にお願いすると数十万かかるものも、自分で製作した。

 

ハンドルの芯になっているコルクも自分でミリ単位で切削し、その他、自分で出来ることは自分で行った。

 

 

もうこの時点では後戻りも出来ない。

 

 

そう言えば、この数年、服すら買ったことがない。

時間が少しでもあけば、タイミングをみて、アルバイトもした。

 

 

僕は最後の100円まで、この事業に投資するしかなかった。

 

 

 

とにかく、早く製品化しなければ。

 

 

 

そして、N社からの連絡を受けてはN社へ製品の確認へ行き、

数カ所の修正点をリクエストして、また数日後に確認をしに行く。

 

それを数回繰り返し、やはり、当初の予想通り、あれから2ヶ月が過ぎた。

 

 

 

 

 

そして

ようやく、20ヶ月前に描いていた理想のブリーフケースの姿がそこにあった。

 

 

 

 

 

そして、ようやく一般の方に見ていただくことができた。

 

 

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記念すべき最初の取扱店は エストネーション本店。

 

続いて、阪急メンズ有楽町店、阪急メンズ梅田店、西武そごう池袋店、渋谷店、松坂屋栄店、男の書斎(名古屋)、近鉄百貨店(天王寺)その他。

 

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モノづくりがこんなに大変で、時間と費用、そして頭を使うものだとは、少なくとも2年前まではわからなかった。

 

 

また、同時に多くのことも学ぶことができた。

 

ここまで、携わってくれた方に、心から感謝します。

彼らが一人でもいなければ、この鞄は作れませんでした。

 

 

 

次にすることは、新しい製品を作ること。

 

やっとゴールかと思いきや、またスタートラインだ。

 

 

 

 

 

 

全13回に及ぶ『世界一美しい鞄を創る。』ブログも、ここで一段落しました。

 

読んで頂いてありがとうございます。

 

 

次のカテゴリーは「バックパック」です。

 

 

BLAU Design Complex 橋本荘一朗

 

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世界一美しい鞄を創る。番外編:量産への道。前篇

前回の記事はこちら

blau.hatenablog.com

 

4月の展示会も非常に多くの好評を得て無事に終わり、しかし、翌日からは不安の苦悶に悩まされた。

 

量産をして販売をしなければ商売にならない。

 

そんなことはわかっているが、いくらデザイン性やクオリティが高くても、高すぎると誰も買ってくれない。

 

展示会では、うっかり「20万円〜30万円くらい」と言ってしまったが、

5掛けで販売店に卸すとして、卸値が10万円〜15万円。

 

仮に1つあたりの粗利益を5万円確保したとしても、製作原価は5万円〜10万円に押さえなければならない。

 

整理しよう。

 

 

主な材料

① A5052 国産アルミブロック40kg

 

② 国産、イタリア産 本革。

 

③ 内装用スウェード

 

④ 特殊トルクヒンジ。

 

 

 

主な加工

① アルミ切削。(本体、ハンドル、ロックノブ、ロックプレート、小部品)

 

② 革裁断、縫製。

 

③ 加工したアルミのサンドブラストアルマイト処理。(一部ピアノ塗装)

 

④ ロックノブとロックプレートのダイアモンドカット。 

⑤ 内装の裁断、縫製。

 

⑥ ロゴのシルク印刷

 

⑦ 箱、緩衝スポンジの製作。

 

 

 

これ、全部で5万円〜10万円で出来る・・・・?

 

 

 

 

出来るわけがない。

 

 

 

 

アルミの切削だけでも、国内で切削すると平均35万円という見積をもらっている。

 

 

 

 

なんだか、悩む以前の問題のような気がする。

 

 

 

単純に価格を100万円とかにしてしまうのは簡単だが、在庫のヤマになってしまうのは目に見えている。

 

どんなに高くても、30万円台だ。(すでに10万円も上がっている。。。(笑))

 

卸値を考えると、原価のデッドラインは15万円だ。

 

 

 

 

お気づきかもしれないが、

もうすでに、この時点で終わっている。

 

 

 

 

とりあえず、以前感じの良かった切削工場の営業さんに電話してみます。

 

 

「あのぉ〜、あのですね、仮の話なんですが、先日お見積をお願いしたアルミのケース切削の件ですが、例えば50個まとめてオーダーしたとしたら、例えば、1個あたりの切削費用を8万円くらいに抑えることって可能ですか?」

 

 

「はははは!」

 

 

「はははは!」

 

 

「結論から言うと無理ですね。基本的には切削は数をこなしてもあまり単価は変わらないんですよ。」

 

 

「ですよね〜。・・・・ですよね。」

 

 

 

アルミ切削だけでなく、革の断裁、加工工場、内装工場も無い。

金もなーい、コネもなーい、なーいなーい。。

 

 

 火曜サスペンス劇場のラストシーンの断崖絶壁の上にいるような。。。

 

 

 

 

 

私の変な癖で、なぁんにも解決法が浮かばないときは、無理やり環境を変えて

根底から考え直してみるということがたまにある。

 

 

 

何も考えがまとまらないまま、展示会から1月以上たったころ

ふらっと一人でアジアの小国にいました。

 

プールサイドにいながら、青い空を見ているふりをして、

「何か方法はないか」考えます。

 

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その日も同じようにプールサイドで友人に勧められたイーロン・マスクの本を読んでいたときのことです。

 

イーロン・マスクは、その道の有識者で無いにもかかわらず、電気自動車のテスラや、スペースXというロケット、宇宙船の計画を実行しているスティーブ・ジョブズのような天才で、映画「アイアンマン」のモデルにもなった男です。

 

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そのマスクがスペースX事業をスタートさせる際、マスクはロシアにICBMロケットを買いに行ったが、結局買えなくて(売ってくれなくて)アメリカに帰国する件(くだり)を読んでいる時でした。

マスクは決断する。「ロシア製ICBMが手にはいらないのなら、自社で作ろう。」

 

・・・・?

 

 

どこも作ってくれないなら、

自分で作ればいいんじゃないか?

 

 

考えたプランはこうだ。

 

 

まずは中古の切削機械、5軸マシニングセンタを購入する。

 

その機械を必要としている町工場に無償で置かせてもらい、アルミフレームの切削を格安でしてもらう。鞄のアルミフレームの切削が稼働していないときには、その工場で自由に使ってもらい、そのかわりオペレータと電力を供給してもらう。

 

初期費用は莫大にかかるが、ランニングはアルミの資材費のみだ。

 

初期費用は金額にもよるが、何かの助成金と銀行の融資で賄えるかもしれない。

(出来るかわからないが。。)

 

 

 

このプランを頭の中で少し整理して、すぐに帰国しました。

 

 

 

まずはネットで中古のマシニングセンタを探します。

 

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ところが、いくつのラインナップは出るもののの、価格はすべて空欄。??

 

それに、マシニングセンタと言っても、ものすごい種類がある。。

 

 

 

選べないし、値段も分からない。。。

 

 

 

これに関して、一人当てにしていた人がいます。

 

以前、展示会用のサンプルを作った時、軽量化の穴あけをした際に利用させていただいたメタルDIYを主催している関東精密の杉田社長だ。

 

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 無理は承知で、当たって砕けてみようと思い、彼と連絡をとり、

夕食に誘いました。

 

 

「(中略)と言う訳で、何らかの方法でマシニングセンタを私が用意しますので、それを関東精密さんに置いていただいて、鞄のアルミフレームを切削してもらいたいのです。もちろん、フレームを削っていないときには、関東精密さんの案件で自由に使用していただいて結構です。それと、マシニングセンタも選んでいただきたいんです。」

 

 

「う〜ん、マシニングセンタって言っても縦型横型とか、たくさん種類がありますし、それに結構値段もしますよ。使えそうな中古でも、そうですねぇ。。。2,000万とかは普通にしますよ。」

 

 

に、にしぇんまんえん・・・ですか?」

 

 

杉「マシニングセンタって、新品だと6,000万円くらいするんですよ。だから比較的年式の新しい中古だと、普通にそれくらいするんですよ。」

 

 

全然費用感が違っていた。。

 

 

 

 

どうする?

 

 

 

 

「あのぉ、それじゃ、こういうのはどうでしょう? 関東精密さんのオペレーター1人の給与の8割くらいお支払しますので、切削費を安くしていただくというのは・・?」

 

 

「う〜ん、今までそういうことはやったことが無いので。。。。」

 

 

上代の設定を考えると、切削にかけられる費用は◯万円しか無いんです。

今までいろんな工場に見積を依頼したので、一般的な費用感は知っています。その上で、非常識な金額ということをわかった上で、なんとか相談させていただけば。。。」

 

 

「う〜ん、そうですねぇ。。。」

 

 

「杉田さんのところに、断られてしまうと、鞄が作れないんです。なんとか、なんとか方法はないでしょうか?」

 

 

「ウチは切削屋なんで、単純に切削依頼があって、それを切削するというのが、シンプルでいいですよね。」

 

 

「はい。それはもちろんそうです。ですが、それだと価格的に合わないので、何か他のオプションを付けてでも、方法はないでしょうか?」

 

 

「いや。。。」

 

 

(イヤ?)・・・・・(涙)

 

 

「いや、削るは削るんですよ。」

 

 

はい??

 

 

「いや、ですから、その予算で削るは削るんですよ。ただ、どうやって切削段取りを組めば切削時間を短くできるか、それを考えなくちゃいけないんですね。」

 

 

 

良い意味で、膝から崩れ落ちそうになった。

 

 

 

なんて男気のある人なんだろう。

 

 

 

その食卓で、言い切れないほどのお礼を言い、なりふり構わず喜びを表現してしまった後は、韓国人のごとくたくさんの乾杯をした。

 

 

そして、そのあとは、自由が丘のキャバクラを二人ではしごしたのは、言うまでもない。

 

 

 

 

Yeahhhhhhhhh!

 

 

 

やっと、ひとつの課題をクリアした。

 

 

 

 

 

世界一美しい鞄を創る。番外編:量産への道。後篇 - BLAU DESIGN’s blog

へつづく

 

 

完成品はこちら

 

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世界一美しい鞄を創る⑪ 最終話。展示会、そして不安・・・。

さて、「世界一美しい鞄を創る」も、ここで一息着きます。

試作品、展示会。

ここで、最終話です。

 

初めてたどり着く人へ、今までのアーカイブのリンクを付けておきます。

 

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相変わらず、孤高の革職人、大島さんとは数日に一度の割合で22時以降に工房に訪れて革のパーツを作る作業が続いている。

 

しかし、今になっても、革のパーツの歪みが取れず、しっくりしない。

 

その日も同じように約束の22時過ぎに工房に着いた。

 

 

「おつかれでーす。」

 

 

「おつかれぇーっす。」

 

 

 

二人は石油ストーブの前に立って世間話を始めます。

 

 

 

10分後。。。

 

 

 

「・・・・・。」

 

 

「・・・・・。」

 

 

なんか、今日は、作業する感じじゃないっていうか、やる気が起きないんすね。

 

 

「(えっ??)  ・・・・・」

 

 

「気分が乗らないって言うか・・・、そんな感じっすかねぇ。」

 

 

「了解っす。また、次回にしましょうか(笑顔)?」

 

 

「すんませーん」

 

 

 

 

 

幾つか疑問は残るが、ここはこらえどころ。

 

無理を言って、普段の仕事終わりでの作業をお願いしていることもあるし、

 

ここで

やっぱり出来ません』と言われたら、

それこそ一巻の終わりだ。

 

 

仕方がない。

仕方がない。

仕方がない。

 

 

 

なんだか、薄い氷の上を歩いているみたいだ。

 

 

 

約15分の滞在で、とんぼ返り。(何しに来たんだろ、俺)

 

 

実はこのような展開はその後、3回くらいありました。

 

 

 

 

 

 

さて、気分を変えて、本番で仕様する革を調達に行こう。

 

革職人 大島さんに紹介してもらった浅草の革問屋に行きます。

 

フジトウ商事

muuseo.com

こちらのサイトにとても詳しく説明されていますので、引用させていただきます。

 

 

この問屋では一般の方も普通に買えるようです。

ただ、例えば牛革を例にすると、買える単位は半身単位になります。

(牛1頭の革を背骨の部分で半分にした大きさ)

 

なので、革としては、結構な大きさになります。

 

また、革の値段は『DS(デシ)』という単位で取引されています。

1DSは10×10cmの正方形で、その革によって1DSの単価が決まっています。

 

よって、例えば『10デシ分の革をください』という買い方は出来ず、その半身の大きさが何デシあるかによって価格が決まってきます。

 

ただ、いずれにせよ、東急ハンズで購入するより数倍安く購入できます。

 

さて、購入した革を革職人の大島さんに届けるとともに、再び深夜の作業場へ。

 

 

 

少しずつですが、例の三次元湾曲が解消されてきました。

 

 

 

出来上がってはアルミのフレームに合わせ、微調整をし、再びパーツを裁断し、フレームに合わせる。

 

このような作業を数日繰り返して、やっと理想の形が完成しました。

 

 

この時、展示会の搬入日まであと2日。

 

 

大島さん、色々あったけど、

ありがとうございます!

 

 

 

 

 

 展示会当日

 

 

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 とりあえず、若き日のスティーブ・ジョブズと同じポーズで(笑)

 

 

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他に出展している他社ブースに比べ、

圧倒的に商品数が少ない! 普通は数十〜百以上の商品を陳列するようですが、

 

 

私は

 

5。

 

 

 

少なすぎ!(笑)

 

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さて、お客さんの反応は?

 

 

 

 

 

 

実は

 

素晴らしく好評でした(^o^)

 

 

第1位「個人的にすごく欲しい!」

 

第2位「今までに見たことがない!かっこいい!」

 

第3位「凄い!」

 

番外編「How beautiful!」「Amazing!」etc

 

 

 

ありがたい。

 

本当にありがたい。

 

うぅ。。。

 

 

 

ただ、ソコの中国人、写真撮りすぎじゃないか?

 

10分は撮り過ぎだぞ!

 

コピーできるものならしてみろ!(笑)

 

 

 

 

 

さて、ほとんどすべてのお客さんからの共通の質問がありました。

 

これ、いくら位なんですか?

 

 

 

 

 

(正直に言って・・・考える暇なかった・・・。)

 

 

 

 

 

「そうですね、概ね20万円〜30万円の間で考えております。」

 

 

 客「やっぱりそれくらいはしますよね〜」

 

 

 

 

本当にそれくらいで作れるんだろうか?

 

 

 

僕はこの展示会を1つのゴールに定め、これまで約1年間、短い時間で必死に展示品を作ることに命をかけてきた。

 

 

 

 

が、

 

 

 

 

量産時の製作ルートを全く確保していなかった。

 

 

 

メイドインジャパンを掲げるため、

量産品はフレームも日本製でなければならない。

中国製ではダメだ。

 

 

 

現在(展示会当時)。

 

 

✕ 国内の切削工場は未開である。(見積の時点で最低価格は35万円くらい。※切削だけで。)←無理じゃん。

  

 

✕ 革の外装に関して、すでに革職人の大島さんには「サンプルだけのお手伝い」と釘を刺されている。

 

 

✕ 内装は量産時には年老いたお袋では対応が出来ない。

 

 

✕ 出荷時の箱、緩衝材なども未決。

 

 

✕ 今回の出展で、幾つかの決定的な部分的な改修箇所が見つかった。要再設計。

 

 

 

 

 

 

 

展示会、怒涛の3日間は「喜び」と「不安」が交互に訪れ、嵐のように過ぎていった。

 

 

・・・・俺、量産できる?

 

 

 

続きは、「番外編。量産への道」へ 

 

製品版はこちら

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よかったら、こちらもどうぞ

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Youtuberになりたい! #1 主戦場はどこへ?

突然ですが、

 

 

Youtuberになりたい!

 

 

って、そんなネタが博多華丸大吉さんのネタがありました(笑)

 

 

でも、

 

 

少しだけ真面目に考えてみることにしました。

 

Youtubeに動画をアップロードすることはとても簡単。

 

でも、視聴回数を稼ぐことは、とても大変。

 

 

視聴回数を稼いで、収益を得ているのがYoutuber

 

 

ここまでは、皆と共通の意識だと思います。

 

 

さて、

 

 

視聴回数について、調べてみると、、、、

 

意外にも視聴回数でランキングが上位に来ているカテゴリーに共通点があった。

 

 

それは、

 

 

子供のおもちゃ。

 

 

アンパンマンを筆頭に、男女問わず子供がおもちゃで遊んでいる風景や、遊び方を紹介している動画の再生回数が異常に多いことに気づいた。

 

 

なぜか?

 

 

僕たちはYoutubeの動画をみても、よっぽどのことがない限り、翌日、更にその次の日に同じ動画を繰り返し見ることは無いと思う。

 

でも、子どもたちは、気に入ったらサムネイルを覚えて翌日のまた同じ動画を見る。

 

なるほど。。それで視聴回数が増えるのか。

 

 

 

 

ちょっと、やってみようかしら。。。

 

 

 

 

また、下手の横好きの癖が出てきた。

 

 

 

(子供のおもちゃなんて、触ったことがないや。。)

 

 

そこで、片っ端から子供が見ているであろう動画を見ているうちに、1つのキャラクターに目が止まった。

 

 

 

 

ぽぽちゃん

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そう、女の子がお人形遊びや、ままごとで遊ぶお人形。

 

「たんぽぽのぽぽちゃん」らしい。

 

 

横にすると目が閉じて、なんとも可愛らしい?(笑)

 

 

このぽぽちゃんで遊んでいる動画が非常に多い。

 

ということは、女の子にとても人気なのね(^o^)

 

 

 

動画の中では、女の子がぽぽちゃんを手に持って、ご飯を食べさせたり、着替えたり、はたまたお医者さんごっこをしていたり、文字通り「お人形遊び」に夢中だ。

 

恐らくそれを見ている女の子も、まさに自分が一緒に遊んでいる輪の中にいる錯覚が少し起きているかも知れない。

 

 

よし!

 

 

まずは、ぽぽちゃんで子供用の動画を作ってアップしてみよう!(←安易・・・)

 

 

でも、1つ勝算がある。

 

 

それは、アンパンマンもぽぽちゃんも、サザエさんと一緒で、基本的にずーっと変わらなく、恐らくこの先も変わらないのでは?ということ。

 

つまり、個人が主役になっているYoutuberは常に「何々をやってみた」「買ってみた」をやっていかなければならないし、戦隊モノやプリキュアなどは毎年キャラクターが替わるが、アンパンマンもぽぽちゃんもずっと一緒。

 

子供は毎年生まれる。

 

ということは、コンテンツが古くならないってこと。

7歳の女の子には、もう満足出来ないアンパンマンも、新生児が二歳になったら、それはもう新鮮なコンテンツだ。

 

 

よし!

 

 

さて、どうやってどんなふうに、子供が喜ぶ動画をつくるか?

 

 

まずはAmazonでぽぽちゃんをポチ。

 

 

翌日

初めてぽぽちゃんとご対面する。

 

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・・・・。

 

こんにちは。

 

・・・・。

 

 

 

 

気を取り直して。

 

さて、このぽぽちゃんでどんな動画を撮れっていうんだろう。

 

 

 

中年のおっさんがぽぽちゃんを動かしてお人形遊びをしているほど、恐ろしいものは無い。

 

 

 

何か、今までのYoutuberがやっていない新たな試みは無いものだろうか・・・。

 

 

 

箱から出したぽぽちゃんをしばらくずっと見つめてみる。

 

 

 

 

 

ん?

 

 

 

 

ぽぽちゃんは人形。。。

 

 

 

ぽぽちゃん、動かない

 

動かない。。。

 

動かない。。。

 

 

 

 

 

 

動かせんじゃね?

 

 

 

 

 

ぽぽちゃんが動いたら、面白くね?

 

 

 

 

なんて安易なんだろう。

 

でも、世の中(日本)広しとは言え、恐らく動くぽぽちゃんはいないだろう。

 

 

 

ぽぽちゃんの手足、首、口が動いたら・・・・・・?

指が動いて、じゃんけんとか出来たら。。。

 

 

 

 

 

かぁ〜いぃ〜んじゃないの??

 

 

 

 

そう、ぽぽちゃんのロボット化計画が始まった。

 

 

 

ロボット、メカ?

 

電気? ・・・・?  ん?

 

 

思いっきり文系だし。。

 

 

アンペア、ボルト、ワット、  全然わからんし。

 

 

 

 

 

とりあえず、基本的な構造の構想と、勉強から始めてみようじゃないか。

 

 

次回はロボット化の構造を考えます。

 

 

 

三週間後に出来上がった動画がこちら。

 

www.youtube.com

 

 

世界一美しい鞄を創る⑩ 失意と希望

先日の孤高の革職人、大島さんとの約束通り、翌日の夜10時に革工房へ向かう。

 

前回までの記事はこちら

blau.hatenablog.com

 

工房へは首都高速道路を使って約1時間。

外気は一桁。吐く息も白い。

 

石油ストーブの灯る工房の中では、ジャンパーを着た大島さんが、僕の預けた型紙にそって革包丁で革を切っている姿が。

 

 

「お疲れ様です!」

 

 

 

「おつかれーっす・・・(何故かいつもの笑顔なし)」

 

 

 

「どんな感じっすか?」

 

 

 

「そうっすねぇ、とりあえず何回かやってみてですかねぇ〜」

 

 

 

「そうっすよねぇ。(いつの間にか口調が移っている)

 

 

 

アルミのフレームに貼る革は、ベルポーレンと呼ばれる薄い芯材の上に、一回り小さくカットした高さ7mmの高密度スポンジを挟み、その上に本皮を縫い付ける。

つまり、素材で言えば3層になっており、スポンジだけがサイズが小さい。

 

これによって、革のパーツをアルミのフレームに貼り付けたときに、皮の部分が緩やかに膨らんで、色っぽくなる。

 

1枚の革をそのままアルミフレームに貼ってしまうだけでは、どうしても無骨になるし、世界一美しいブリーフケースにするためには、どの方向からみても優雅な曲線が必要だと、勝手に定義した。

 

大島さんの行程を見ると、

①下地のベルポーレンと牛革を同じ型紙でカットし、その型紙を端から25mm内側に小さくしたサイズでスポンジをカットしている。

 

②そして、スポンジに接着剤を塗って、下地のベルポーレンの中心に貼り付ける。

 

③その後、ベルポーレンのフチに接着剤を伸ばしたあと、ベルポーレンに貼ったスポンジの中心に牛革を乗せ、フチに伸ばした接着剤が乾く手前で牛革とベルポーレンのフチを手で摘むように押さえて接着していく。

 

 

接着剤は乾く手前が一番接着しやすいそうです。フムフム。

 

 

そして、仮接着が終わったところで周囲を平ミシンで縫い付けていく。

 

 

 

ここまでが大島さんのお仕事。

 

出来上がった革の3層パーツとアルミフレームを接着するのは私の仕事。

 

 

 

とは言え、この工房では私の仕事は無いので、ひたすらコンビニに行ってホットコーヒーを差し入れしたり、大島さんが深い溜息をしたら、甘いものを、鼻歌を歌っていたらソフトサラダせんべいを買ってきたりするだけだ。

 

フッフフー♪ → ソフトサラダ

 

 

さて、そうこうしているうちに、ミシンの音がやみ、3層に膨らんだ革のパーツが1つ出来上がった。

 

 

しかし。

 

 

三次元に歪んでいる。

 

 

例えば、両手にプラスチックの下敷きを持って、左右の手で逆の方へひねると、下敷きは三次元に歪む。

 

まさにそんな感じだ。

 

 

 

「結構歪みますねぇ」

 

 

 

「そうっすねぇ。。。

恐らく間に挟んであるスポンジの厚みの分、ベルポーレンか革のどちらかに負担がかかって、逃げようとするんすかね。 革が伸縮性のある素材なら、スポンジに高さがあっても、ベルポーレンにくっついてくれるんですけど、革はすぐに伸びないっすからねぇ。」

 

 

つまりこういうこと。

 

ベルポーレンも牛革も伸縮性がない。

その間に高さのあるスポンジを挟んで2つを縫い合わせると、どこかに負担がかかる。

その結果、ベルポーレンか革が

「伸びたいけど、伸びないよー」と言ってねじれる。

 

 

 

「ベルポーレンはフレームに貼るので大きさはこのままで良いと思うんですが、革の方を一回り大きくして、例えばスポンジの高さぶん、少し大きくカットしたらどうでしょう?」

 

 

 

「そうっすねぇ。。。 やってみないとわからないっすねぇ。」

 

 

 

「そうっすよねぇ。」

 

 

・・・・。

 

 

この時点で時間は深夜2時前。

 

 

大島さん、見た目に元気が無くなっています。

 

 

 

「・・・・次回にしましょうか。」

 

 

 

「そうっすねぇ。それまでに、時間があればやってみますね。」

 

 

 

こればかりは仕方がない。。

 

 

次回は明後日の22時に約束をして、車に戻ります。

 

 

 

 

収穫無し。

 

 

 

 

いや、逆に簡単に考えていた革の貼り合わせパーツ。

障壁が高いかもしれない。少し失望。

 

 

ここは頭を切り替えて、新しいものへのチャレンジをしよう。

 

 

 

ケースの表面処理だ。

 

 

 

デフォルトはアルミの金属面をだし、それにブラスト処理とアルマイト処理をして、Mac bookとほぼおなじ肌感を再現した。

 

 

もう一つチャレンジしたいのが、

 

 

ピアノ塗装だ。

 

 

これはアルミの表面にグランドピアノと同様の塗装をしてみようというモノ。

 

世界広しと言えど、ブリーフケースにピアノ塗装を施している鞄は無いと思う。

 

 

なぜピアノ塗装?

 

 

ということだが、アルミの表面処理は一般的にアルマイト処理でほぼ完結してしまうが、もっと他の表現方法はないだろうか?と言う単純な発想で「塗装」という選択肢が出てきた。

 

そもそも、一部の車ではアルミのボディに塗装が施されているんだから出来るだろうと。

 

そして、塗装のなかで最高峰の技術の1つがピアノ塗装だ。

 

黒の「奥」が深いという感覚がある。

 

 

 

国内でピアノのメーカーと言えばヤ◯ハ。

早速電話をかけてみる。

 

 

 

ピアノを塗装している工場を教えてもらおうと思って軽~く電話をしてみるも、

 

おしえてあーげない!

 

と言う予想通りの答えです(笑)

 

まぁ、基本的にこんなことは想定内なので、もう気にしません。

 

 

 

ということでGoogle先生

 

「静岡 塗装 ピアノ」で検索すると、良さそうなところが1つヒットする。

www.piax.co.jp

 

 

そこは、ピアノはもちろん、それ以外の部材、例えば家具など積極的に独自のピアノ塗装を施している面白い企業だ。

 

 

早速電話でアポをとり、新幹線と在来線に揺られて静岡の会社へ。

 

 

会議室に通されて旅の一息をついていると、電話でお話したご担当者が現れた。

 

最初に鞄のあらましと、構造に関してお話したあと

 

 

 

「と言う訳で、日本最高峰の御社の塗装技術で、この鞄にピアノ塗装を施したいのです。」

 

  

 

「アルミにピアノ塗装ってのはやったことないんですよね。車とは基本的に塗装の方法や塗料が違うので、別物だと考えてください。それと・・・。」

 

 

 

私「はい」

 

 

 

「先ほどおっしゃった『サンプル』としては、弊社としてもお受けすることは可能ですが、仮に量産されれる場合はお受けすることは出来ないと思います。」

 

 

 

「はい?」

 

 

 

「というのも、製品版になると、かなりのテストをしないと製品版としては出せないんです。アルミに塗装という未知の分野ですと、万が一製品版で塗装の剥げなどの問題が出た場合、それは弊社の瑕疵になってしまうので。。。」

 

 

そんなもんなんでしょうか。

 

 

しかし、今はそんなことより、展示会に向けたサンプル作りが優先です。

 

 

ピアノ塗装用にアルミフレームを1つ預け、2週間後の完成を待ちます。

 

 

 

 

そして、2週間後、ピアノ塗装されたフレームが送られてきました。

 

 

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WoW!

 

想像以上に美しい!

 

今までに見たこともない黒の深み!

漆と同じかそれ以上の奥深さ。

 

なんでも『塗装』→『研磨』の行程を七回繰り返すらしい。

ひゃぁ〜

 

白の本革とのコンビネーションが最高じゃねぇか。

 

 

テンションマーックス!

 

 

触ると指紋がつくが、そんなの関係ねぇ。

 

 

新たな希望と共に、

 

革パーツの不安は依然残されたままである。

 

 

完成版はこちら

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世界一美しい鞄を創る⑪へ続く

blau.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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世界一美しい鞄を創る⑨ 懇願

革工房の孤高の革職人、大島さん。

なんて軽い優しい笑顔で恐ろしいことを言うんだろう。

 

前回までの記事はこちら

blau.hatenablog.com

 

この2週間。

 

彼は、何も手を付けてくれていませんでした。

 

 

 

でも、冷静に考えます。

 

 

そう、大島さん。

決して悪気は無いんです。数少ない国内の革工房、それも腕のよい職人。

それも1人でされているので、土日の休みすら無いんです。

 

 

そう、悪気は無いんです。

 

 

 

でも、僕もそう。

 

前を向いたらキリがない。(クリエイティブには終わりがない。)

 

後ろを向いたら後がない。

 

もう、本当に時間がない。

 

 

 

ここは嫌われてもいい。

無理を承知でお願いするしか無い。

 

 

 

「忙しいのは十分承知です。

十分承知の上でお願いがあります。どうしてもあと1ヶ月で5個の鞄のサンプルを完成させたいんです。

 

いや、完成させないとヤバイんです。

ほんとに、ほんとにお願いです。僕も出来ることはなんでも手伝います。

なんとか、なんとか、ご協力していただけないでしょうか?」

 

 

 

「そうっすよねぇ。。。 ・・・・そうっすよねぇ。

 橋本さん、夜は忙しいですか?」

 

 

 

 

ん? 飲み?

 

 

 

私「夜はいつでも大丈夫ですよ」

 

 

 

大「明日、22時くらいに来れます? いつもの仕事が終わってから作業をするとなるとそれくらいの時間になるんですが、大丈夫ですか?」

 

 

 

私「 全然大丈夫です!

 

 

 

 

 

ということで、明日の夜からサンプル製作の作業に入ってもらうことになりました。

 

とりあえず、確約が出来たので一安心。。ふぅ〜

 

 

 

 

安堵なのか、それとも日本語では表現できない感覚なのか、

そんな感じで工房を後にし、車のハンドルを握りながら考えを整理する。

 

 

とりあえず、革に関しては、下駄を預けるしか無い。

 

それしか無い。信用。

 

 

残るは。。。。。

 

 

 

 

内装だ。

 

 

 

 

内装。

 

鞄の中には、人によっていろんなものが入る。

よって、革で内装を施すのはNG。

 

なぜなら、すぐ引っかき傷が出来るから。

 

 

よって、高級感漂うスウェードを内装に施したい。

 

 

 

でも。

 

 

でも、この時点でいつものようにGoogle先生で業者を探す余裕はない。

 

 

実は少し当てにしていた人がいる。

 

 

 

 

 

実母だ。

 

 

 

 

 

母は、40年近く、ファッション業界の第一線でパタンナーとして腕を奮ってきた。

ファッション業界でいうパタンナーというのは、

デザイナーが書いた平面のデザインをイメージどおりに仕上がるように想像して、その裁断パターンを作って、布に当て、裁断して縫い合わせるような仕事らしい。

 

 

クリエイティブ。

 

 

以前、当時の母の部下だった人に聞いた話だと、

 

「橋本さんのお母様は、ほんとに凄かったですよ。ぶっちゃけ日本で10本の指に入るくらいの職人だったんじゃないですか?」

 

 

 

 

 

マジで?

 

 

 

 

おふくろ、そんな人だったの?

 

 

僕が子供の頃は、すぐビンタする母。

還暦を過ぎてからは健康食品にハマった母。

マルチまがいの健康食品を信仰している母。

ビールを飲むと目が据わる母。

 

 

 

そんな母も今年でもう70歳。

 

 

 

今は千葉の家で、近所の老人を集めて健康体操とかしているとか。。

ナンノコッチ

 

 

 

まぁ、そこは腐っても親子。

翌日の土曜日、アルミのフレームを持って千葉の実家へ向かう。

 

 

 

「何?久しぶりにどうしたの? 仕事は上手く行っているの?」

 

 

 

「うん、そのことなんだけどね。

 

(中略)それで、この鞄の内装を作って欲しいんだよ。で、これが生地ね。」

 

 

 

「えぇ〜 出来ないよ〜。」

 

 

 

「やって。」

 

 

 

「だって、これ、スポンジ生地にスウェードを縫うんでしょ?」

 

 

内装は、1mmのスポンジにスウェードを縫い付けて、それをアルミフレームの内側に貼り付けます。(※あくまで展示会用のサンプルの仕様で、製品版はもっと高度です。)

 

f:id:BLAUdesign:20170908192209j:plain

 

 

「そう、そうなんだよ。おふくろだったら軽いでしょ(笑)」

 

 

 

「私が持っているミシンだと、スポンジに通る針が使えるかわからないのよ。スポンジとか、特殊な裏地に使う生地に通す針は太い針が必要で、今のミシンではその針が使えないかもしれないよ。」

 

 

 

ここにきて、大田区の工場みたいなことは言わんでくれ。。。

 

 

 

「あ、そうなの? でも、なんとかやってみてくれないかな?」

 

 

 

 

半ば強引にお願いして、ビールのプルトップを開けます。

 

 

プシュー

 

 

私は普段、フィットネスジムでは重いバーベルを持ち上げますが、

ここでは母を持ち上げます。

 

 

 

「世界一美しいブリーフケースを作りたいんだ。こんなこと、世界中の誰もやっていないんだよ。あなたの息子がそれをチャレンジするんだ。売れるかどうかは分からないけど、やる価値はあると思うんだよ。

 

知っての通り、僕はデザインの勉強もしたことはないし、今も専門的にするつもりはない。でも、感覚の具現化はマニュアルはいらないと思うんだよ。

それに、(今までの工場での断られ具合を少々大袈裟に言う)日本のモノづくりの根源はクソだよ。70年代の高度成長期で止まっちまってる。

今は個人、もしくはスモール企業がイノベーションをする時代なんだよ!

これを即興でできるのはお袋しかお願い出来ないんだよ!」

 

 

 

 

イノベーションって何?」

 

 

 

 

そこ?

 

 

 

わかりやすく説明しました。

 

 

 

無いものを創るということ。

 

 

 

その後は、母が夢中になっている健康食品のネットワークビジネスの話になったり、子供の頃に話になったり、酒浸りの親父の話になったり。。

 

 

 

とりあえず、持ち上げまくりました。

 

 

 

感覚重量でいうと、

 

 

 

90kg

 

 

 

あげたことねぇ〜

 

 

 

とりあえず、残り一個のアルミフレームのサンプルと日暮里で購入した最高級のスウェードの生地を置いて翌日東京に戻りました。

 

 

 

 

たのむよ おふくろ。

 

 

根性見せてくれ!

 

もう、時間が無いんだよ・・・・。

 

 

 

頼むね!

 

 

 

しぶしぶ頷く母がいました。

 

 

完成版はこちら

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世界一美しい鞄を創る ⑩ へ続く

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世界一美しい鞄を創る⑧ もうだめかもしれない。

前回まででようやく鞄のアルミ削り出しフレームの完成は見えてきた。

 

前回までの記事はこちら

blau.hatenablog.com

 

長かった。 ほんとに長かった。

 

 

ようやく最後の行程、表面の革、として内装の仕上げを残すのみ。

展示会まで残された時間は約2ヶ月半。

 

なるべく早く完成させて、展示会場で配布するパンフレットも作らなければならない。

 

まずは革だ。

 

早速革工房をGoogle先生に聞いてみます。

革工房と言えば東京下町。

 

「東京 墨田区 台東区 革工房」

 

 

あれ?

 

 

思ったよりもヒットしない。

それでもいくつかリストアップして、いつも通りまずは電話連絡をする。

 

 Ring Ring Ring...

 

「実はアルミのフレームをベースにした鞄を企画しておりまして、それで、そのアルミのフレームの上に革を貼っていただきたいのですが、そのようなご相談は御社の範疇でしょうか?」

 

 

 

工房「えぇっと、ちょっとお電話だとあまりイメージがつかないのですが・・・」

 

 

 

「すみません。例えば、アルミで出来た昔のお弁当箱を想像していただけますでしょうか?そのフタの上の面に革を貼りたいんです。」

 

 

 

工場「アルミに革は縫えませんよ。」

 

 

 

「まぁ、それはそうだと思うんですが、何か方法があるのかというところからご相談をさせていただければと思うのですが。。」

 

 

 

工場「申し訳ないのですが、他の仕事も立て込んでいて、ちょっとお受け出来そうにありません。」

 

 

 

まーたこれだ。

 

 

 

なんで簡単に断ることが出来るんだろう。

ちょっとくらい会って、相談してくれてもよかろうもん。

 

 

まぁ、まだ他に幾つか工房はある。どこか、1つくらい相談に乗ってくれるだろう。

 

 

 

 

 

 

甘かった。

 

 

 

 

 

そもそも、国内で小ロットやサンプルを作ってくれるような革工房自体の絶対数が少ない。途中で仕入れた情報だと、ほとんどが費用の安い中国に仕事が流れていき、国内の工場、工房はどんどん減っていったそうだ。

 

それに、国内の残っている工房はそれなりにルーティンの仕事で忙しく、職人の人手不足も加わって、会って相談することすら出来ない。

 

 

 

それでも、探して探して、電話して、繰り返し当たってみたところ、

ようやく1件だけ好感触な工房が見つかった。

 

 

 

「(中略)と言う訳で、アルミで出来ているフレームに何らかの形で革を貼りたいんです。」

 

 

 

工房「やってみないとわからないですが、大丈夫じゃないですか?」

 

 

 

Got it !

 

 

 

最終的にいっつもこのパターンだ。なぜ最初からこうならないのだろうか・・・。

 

 

 

翌日東京スカイツリーのほど近くにある墨田区の革工房を訪れました。

 

 

ほんの二部屋くらいの大きさのその工房は、作業机、二台のミシン、革漉きマシン、そして大量の革のロールが鎮座していました。

 

 

 

「あの、先日お電話いたしました橋本です。」

 

 

 

「大島です。どうもどうも(笑顔)」

 

 

 

 

あれ? なんて軽やかな始まり?

 

 

 

大島さんは30代後半から40代前半の下町の若いにーちゃんのような職人です。

 

どうやらこの工房で、は基本的に彼が一人で作業されているようです。

作業中のテーブルには、製作途中のクロコダイルの長財布がたくさん山積みになっていました。

 

 

 

これは期待できるぞ。

 

 

 

「(中略)それで、このアルミのフレームに革を貼りたいんですが、どうですか?」

 

 

 

「大丈夫だと思いますよ。2mmの穴が3mmピッチで周囲に空いていれば手縫いで縫うことも出来ますし、接着もできるんじゃないですか?」

 

 

 

マジっすか?

 

 

 

「内装はどうします?革であればやってみますけど」

 

 

 

「内装はスウェードを貼りたいんで、別で探してみます。」

 

 

 

「分かりました。型紙とかは無いですよね? 」

 

 

 

「ケースを型取りして作ります。普通の工作用紙で大丈夫ですか?」

 

 

 

「大丈夫ですよ。型紙ができたら送ってください。時間を見つけてサンプル作っておきますよ。」

 

 

 

 

Woooooooo!

 

 

 

 

最高じゃないか!

 

 

革職人ってイメージしたら頑固一徹をイメージしていたけど

腕は良さそうだし、人柄も柔らかだし。

 

 

僕はアルミフレームのケースを工房に預けて、その足で会社に戻り、

途中の東急ハンズで購入した工作用紙に、鞄の周囲をトレースし、丁寧にハサミで切り取り、周囲を紙やすりで磨いてバリをとり、その日のうちに大島さんに送りました。

 

 

あとは、サンプルの上がるのを待つのみ(笑)

 

 

ふふ。

 

 

さて、大島さんがサンプルを作ってくれているこの間にもやることがたくさんある。

 

 

 

 

今思えばこの2ヶ月間は恐ろしいほどのスピードでいろいろなことをしていた。

 

 

 

 

そうでもしないと、サンプルが間に合わず、出展費用を含めた展示会の費用、約200万円が無駄になってしまう。

 

 

まずは、細かい部品だが、大事な「ヒンジ」。

日本名「蝶番」。

 

鞄のフタとケースをつなぎ合わせて、それを軸に開閉するものだ。

 

 

一般的にはヒンジは種類も多く、そんなに苦労はしないと思いがちだが。。

 

 

以前、ゼロハリバートンの鞄を持ち歩いていた時があった。

当時の僕は、広告の仕事をしていたので、鞄の中は常に書類でパンパンだった。

 

ある日電車に乗っている時に、何かの拍子でラッチが外れ、鞄のフタが下に180度開いた。

 

 

その瞬間、鞄の荷物はまるでスローモーションのように、すべて車内に広がった。

 

 

エロ本が入っていなくて、ほんとに良かった。

 

 

万が一にも、こんなことがあってはいけないので、通常使われるヒンジではなく、特殊なヒンジを採用する必要がある。

 

 

ふと、机の引き出しにカルティエのボールペンが入っていた赤いケースがあることを思い出した。

 

これは宝石箱と同じような開閉感で、少し力を入れてフタを開けると一気に開き、

少し力を入れてフタを閉めると一気に閉まる。

 

どうなってんだ?

 

と思い、バラします。

 

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バラしてわかったことは、コの字型のバネがヒンジについているだけ。

 

ただ、これだと、開けるか閉めるのどちらかになる。

 

 

 

 

特殊なヒンジ。

 

特殊なヒンジ。

 

そう、トルク(抵抗力)のあるフリーヒンジだ。

 

 

これはどういうことかというと、

フタを任意の位置で留めることが出来るというスグレモノである。

 

 

例えば鞄を左手にもって、右手でフタを開けて中のものを取ろうとしたとき、

普通であれば、フタは180度勝手に開いてしまうため、一度鞄を机の上に置く必要がある。

 

しかし、フリーヒンジを使えば、任意の位置でフタを留めることが出来るため、立ったままで、フタを好きな位置で止められるため、中の荷物が溢れる心配がない。

 

些細な事でも、実はとても重要なことなのだ。

 

つまり、こんな中途半端な位置でもフタが留まる。(完成品)

 

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イエイ!

小さなところも妥協なく、考える。

 

 

 

 

さて、次はアルミフレームの二次処理である。

 

 

一般的にはアルミは削りっぱなしでほっておくと、酸化して、だんだん白っぽくなってくる。

また、それだけではなく、本来柔らかい金属のため、表面に傷が付きやすい。

 

 

そこで、一般的にはアルマイト処理という二次処理をおこなう。アルマイトを施すとアルミの表面が強くなるのだ。

 

 

アルミフレームの肌に関して、僕には1つのイメージが合った。

 

 

AppleMac Bookである。

 

 

金属製のユニボディでありながら、決して冷たいイメージがなく、逆にどことなく

愛らしい手触りだ。

 

 

基本的に素材が同じなので、出来るはず。・・・・だと思う。

 

 

早速Google先生

 

アルマイト処理 関東」で検索してみる。

 

これは幾つかヒットする。

その中で、比較的東京に近い工場に電話連絡をし、アルミフレームを持参し見積をもらうことにした。

 

 

依頼する作業内容は、まず切削したばかりのアルミフレームに、細かな砂を吹き当てて表面を少し粗す。これはサンドブラストという処理(梨地処理とも言う)で、あえて目に見えない傷を付けることによって、傷を付けにくくする効果がある。

 

そのブラスト処理をしたものに、アルマイト処理をする。アルマイト処理は特殊な液体が入った水槽にアルミ素材を一定の時間漬け込むと、その処理が完成する。

 

見積の結果、多摩川の土手沿いにある工場にお願いすることになった。

工場長は北斗の拳に出てくる雑魚キャラのボスのような出で立ちなのだが、人は良い。

 

 

そこで、砂の大きさ、アルマイト処理の色など、幾つかの組合せを試して、ようやく納得の行く処理が出来上がった。

 

 

f:id:BLAUdesign:20170906195658p:plain

 

f:id:BLAUdesign:20170906195711j:plain

 

ほぼ一緒(笑)

 

 

そして、もう一種類、今まで誰もやっていない鞄の表面処理がある。

それを是非やってみたい。

 

 

 

と、その前に、

そろそろ革の表面のサンプルが出来ているかもしれない。

 

 

 

大島さんに携帯でショートメールを送る。

 

 

「明日あたり、行っても大丈夫ですか?」

 

 

「午後だったら、大丈夫っすよぉ!」

 

 

ひゃっほー

 

 

もうゴールはすぐそこだ!

 

 

 

 

 

いやぁ、ほんとに長かった。

ここまで怒涛の10ヶ月。

 

イラストを書いても、図面が無いと断られ、

 

図面を書いても工場に出来ないと断られ、

 

アルミに革は貼れないと断られ。

 

ある種のいじめにも近い状況だったかもしれない。

 

 

いやぁ、ほんとに長かった(涙)

うぅ

 

 

 

踊る心をなんとか押さえて、工房の前に車をとめ、勢い良くドアを閉め、

工房の扉を開け大島さんの背中に声を掛ける。

 

  

 

「お疲れ様でーす!(笑顔)」

 

 

 

「おつかれーっす(笑顔)」

 

 

 

「いろいろと、無理言ってすみません! それで上手く出来ました?(笑顔)」

 

 

 

ちょっと仕事が立て込んでて、まだ手を付けてないんっすよ。すんませーん(笑顔)

 

 

 

私「えっ?」

 

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ぶっ倒れそうになりながら、

全身の毛という毛が逆だって、白髪になったような気持ちになった。

 

小川直也に何発ものSTOを受けたくらいの衝撃だった。

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東スポWebからの引用

 

 

 

僕の視線の先には、数日前に送った鞄の型紙の封筒が封も切られずにそこに置いてあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

もうダメかもしれない。

 

今度こそ、もうダメかもしれない。

 

 

 

もう二月中旬。

 

 

展示会用パンフに入れる鞄の撮影も含めると、どんなに遅くても3月の中旬までにすべてのサンプルを仕上げないといけない。

 

 

 

 

 

もうダメだ。

もうダメだ。

 

 

人生で初めて、フリーズした。

 

完成版はこちら

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世界一美しい鞄を創る⑨へつづく

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