BLAU DESIGN’s blog

前代未聞のモノを創る。モノづくり記録です。

世界一美しい鞄を創る⑥ 四面楚歌。そして大連への道。

さて、ロックノブ、ロックプレートのロック機構。

 

ハンドルのデザインもほぼ出来上がってきたところで、だんだん完成の目処が出てきた。

 

前回までの記事はこちら

blau.hatenablog.com

 

モノづくりにはゴールが無い。

そこで、ゴールを定めるために、2016年4月に開催される展示会に出展することにした。

 

 

このままだと、無駄な時間だけが無意味に過ぎていく可能性もある。

 

 

なんとか、そこまでに間に合わせて完成させ、関係者の感触を確かめたい。

(※本来なら展示会には完成製品を出品するのだか、この時点でサンプル出品がやっとのスケジュールなので、今回はサンプル出品し、その後の感触で量産を決めようと思いました。)

 

 

 

さて、2015年10月も半ば、

数ヶ月、何度も繰り返し修正を加えてきた鞄のフレーム本体のCAD図面が上がってきた。

 

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これがあればもう工場に断られることもないだろう。

 

で、ドコに依頼するか。。。

 

 

アルミの削りだしを行うので、金属の切削工場に依頼するのは良いとして、

いろいろ切削方法を調べてみると「マシニングセンタ」という切削機械で削りだしを行うことが分かった。ただ、そのマシニングセンタの作業テーブルの大きさによって、私の鞄が切削できるかどうかが違ってくる。

 

 

ただ、ネットで調べてもそこまで記載しているHPはないので、とりあえず

「関東 金属加工 アルミ 切削」で検索をかけてみると、そんなに多くはないがヒットする。

 

 

その工場に1軒1軒電話連絡をして、鞄のフレームを切削してもらえることが可能か確認をしてみることに。

 

 

結論としては、1/3がお断り

残りの2/3がまずは図面を送ってほしいとのこと。

メールにて完成したCAD図面を添付して送信したところ、

 

 

その後、その全てがメールにて断ってきた。。

 

 

・・・・・。

 

おーい。

一体どうなっているんだ。

 

 

 

明確な理由も書いてなく一様に

 

 

 

「残念ながら弊社では請負かねる案件です。」

 

 

 

のようなことが書いてあるのみ。。

 

 

 

全く意味がわからず、

事前の電話連絡時に一番感じの良かった会社に電話をかけて見る。

 

 

 

「やはり難しいんでしょうか?」

 

 

 

営業「そうですね。いろいろ現場と話してみたんですが、ちょっと厳しいとのことです。」

 

 

 

「ぶっちゃけ、他の工場さんにもバックアップで同時に聞いていたのですが、実は全部お断りされてしまったんです。」

 

 

 

営業「そうですか・・・・。」

 

 

 

「このまま他の工場を探して同じ回答をもらってもラチが開かないので、差し支えのない範囲で、具体的にはどういった理由で出来ないのか教えていただけますでしょうか?」

 

 

 

営業「そうですね、正直に申し上げますと、出来なくはないんです。

どちらかというと、やりたくないといったほうが良いでしょうか。。」

 

 

(やりたくない・・・だと?)

 

 

「・・・加工自体が難しいんでしょうか?」

 

 

 

営業「角度が様々な方向からついているので、実際難しいというのもあります。

5軸のマシニングセンタならまだしも、3軸のマシニングセンタだと、段取りが厳しいんです。」

 

(※作業テーブルがx,y,z軸に、つまり左右前後に動く3軸タイプと、それ加えて斜めに動く5軸タイプがあります。)

 

「それに、この図面を見る限り、一番薄い底の部分が0.8mmですよね。そうすると、何日もかけて切削して、やっと底面部分を0.8mm残して切削している時に、万が一機械の動作や金属自体の疲労で底面にひびが入ってしまうこともあると思うんです。

 

そうすると、それはこちら側の責任になってしまうので、どうしてもリスクを考えるとお断りせざるを得ないんです。」

 

 

 

 

「・・・・。」

 

 

 

 

ただでさえ重たい金属。

その中でも軽いアルミニウム。

 

鞄が故、すこしでも軽いほうが良かろう、と思って図面を書いてもらうときに

薄く出来るところは極限まで薄くしてもらったのだ。

 

 

アダとなった。

 

 

0.8mmの部分が3mmあればイケるとのことだが、それはダメだ。

 

重たくて鞄として使い物にならない。

 

 

 

結局、関東地方の切削工場は諦め、対象を全国に広げて工場の検索をし、

前回と同様に電話連絡、その後メールにて図面を送るという作業を繰り返した。

 

 

結果として、約60前後の工場に送り、

見積をくれたのが たったの7社。

 

 

その他は、お約束のお断りメール。

ひどいところは返信もなし。。。

 

どうなっているんだ。

 

 

どうなっているんだ!

 

 

作れない。作れない。これじゃぁ、作れねぇじゃん。。

俺のカバン、作ってくれるところがねぇじゃん。。

 

 

 

そして見積をくれた7社のうち、一番高かったのは

73万円。

 

 

これはいわゆる「お断り見積」だろう。

 

 

んなもん、

こっちからお断りだよ!

 

 

残りは概ね35万円〜45万円。

それも、「一部の形状を◯◯の用に変更していただいてのお見積です。」だと。

 

 

 

デザイナーを舐めてんのか?

おっ?

 

 

 

でも、

 

展示会用には恐らく8個くらいは必要だろう。

さらに、2個くらいを余裕見ても10個。

 

フレームだけで400万円もかかってしまうよ。。。

 

 

 

 

 

高すぎるよ。。。

たかすぎるよ。/

 

 

タカスクリニックヨ。

 

 

 

 

日本では作ってくれるところが無い。

 

 

 

 

今回はメイド・イン・ジャパンで作ることを前提にしていたが、

製品版はまだしも、サンプルにそんな大金はかけられない。

 

 

 

 

 

CHINA

 

 

中国

 

 

 

 

サンプルの切削は中国でやったらどうだろう。

流石に日本ほど高く無いハズである。

 

仮に中国で出来たとしたら。。。。

 

それを日本の工場に持っていって、

 

「中国で出来たので、日本で出来ないわけがないでしょ!」

 

とでも言ってみようか。

 

 

 

 

 

さて、落胆した気持ちを入れ替えて、中国の工場を探してみる。

 

「中国 金属 アルミ 切削 工場 安」

検索ワードではなるべく漢字で検索をかけるが

どれも、どこか間違った日本語の中国切削工場のHPがいくつかヒットする。

 

 

 

 

「あなた希望する加エ(←カタカナのエ) できたら嬉しい。」

 

 

 

 

それは、僕も嬉しい。

 

 

 

少々不安だが、まずはその中でも一番マトモそうな、尚且つ日本企業とたくさんの取引をしていそうな大連の工場にメールで連絡をしてみる。

 

 

すると、すぐにレスポンスがあった。

 

日本語である。少したどたどしいが、れっきとした日本語である。

 

さらに図面などのやり取りも含めて細部を確認しあい、見積が添付されてきた。

 

 

 

15万円。

 

 

日本の半額以下ではないか。

 

 

これはあり?

 

 

早速発注書を送ります。

代金は現地で製品を確認後にその場で支払うことに。

 

 

 

 

 

さて、それから約3週間、

羽田発の飛行機に乗って初の大連に単身向かいました。

 

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大連空港からはタクシーに乗ります。

 

「(英語で)(HPの住所のコピーをみせて)ここにお願いします。」

 

「◯☓△%&$#9|#”」

 

 

やはり、英語が通じない。

 

携帯のメールにあった住所を見せようと思い、携帯のGmailを立ち上げると。。。

 

はい、Gmailが通じない。中国Google、LINE、FBダメね。

 

 

口と耳をもがれた気分だ。

 

 

こんな時のために、中国語で住所を控えてきてよかった。

 

 

車窓からは、路上で立ち小便をしている大人をたくさん見かけた。

おっそろしい国だ。

 

 

住所を見せたにもかかわらず、この運転手、途中道行く人に4回くらい道を確認しながら約40分の道中を経て、目当ての工場にたどり着きました。

 

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担当者「はじめましてハシモトさん。。私は王と言います。

サンプルは出来ていますよ。チョト マテテください。」

 

 

担当の王さんがしばらくして持ってきてくれたファーストサンプルがこちら。

 

 

※写真の場所は工場じゃありません。

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かっこいい。。かも。。

 

 

しかし。

 

 

しかし。

 

 

 

重たい。

 

重さを計ってみると2.5kgもある。

 

 

うぅ。。。

 

 

 

 

 

もともとは、このようなアルミニウムのインゴットが材料になる。

 

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この時、約重さは36kg。持つだけでもしんどい。

 

 

それをマシニングセンタ(切削機械)で約3日間ぶっ通しで削る。

下の写真は約1/3程、削り終わったところ。

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これをどうやって、半分以下の重さにするのだろうか。。。

 

この時すでに12月も半ば。。

 

間に合うのか?

 

 

完成品はこちら

www.blau.tokyo

 

 

世界一美しい鞄を創る⑦ へつづく

 

 

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