世界一美しい鞄を創る① 大田区の町工場へ
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BLAU Design Complex Inc Creative Directorの橋本荘一朗です。
ぼくは「見たことのないモノ」「そして、美しく機能的であるモノ」をデザインして、製品化しています。
言葉にするととてもシンプルですが、実は
とても大変なんです。
だって、僕も見たこと無いモノですから。。。
僕はいつもモノをデザインする時、モチーフを「否定」するところから入ります。
どういうことかと言うと
「今まで深く考えたことはないけれど、よく見たらダサくね?」
というところから始まります。
例えば僕の最初のプロダクトのBrief caseです。
ある時、東京のオフィス街を歩いていて少し気になったことがありました。
そこにはたくさんのビジネスマンがいます。
ヘアスタイルもイマドキの2ブロックでクール。
スーツも流行りのスタイルで細身で素敵。
靴もピカピカで、時計はロレックス。
きっと仕事も出来る彼らは、とってもおしゃれに気を使っています。
しかし。。。
何か違和感がありました。
そう、彼らが持っている鞄です。
ナイロン製のマチの厚い3Wayビジネスバッグ。
取手が汚れたLVなどのブリーフケース。
などなど。。
「よく見たらダサくね?」
だって、どう見ても僕からしたら素敵なスーツの袖から伸びた、高級機械式の時計をはめた手に持つ鞄が「ナイロンの3Wayバッグ」は合わないんですよ。
「だったら、僕が世界で一番美しいブリーフケースを作ってみよう」
と思ったのがデザインのキッカケです。
これが「否定」から入るイメージです。
さて。
最初は素材の考え方から始めました。
男性の好きな素材って・・・・・?
恐らく「金属」と「革」と「木」じゃないだろうか。。
(ナイロンではないはず)
例えばイギリスの高級車の内装には、これらの素材が惜しみもなく使われています。
機械式時計もそうです。
ということで、素材は決まりました。
さてここからがデザインです。
僕はこれまでデザインの勉強はしたことも、鞄も作ったことはありませんが、美しいものにはとても興味がありました。今考えれば、むしろ一般的なデザインの基礎や鞄の製法をしらなかったからこそ、BLAU Brief caseのようなモノが作れたのではないかと思います。
(でもこのことが後から現実を浴びせられるのですが。。)
まず、鞄のフレームをアルミでつくって、その表面に本皮を施したら、とてもCoolな鞄に仕上がるんじゃないか?
まずはスケッチブックに何度もイラストをスケッチしました。
その後、イラストレーターでスケッチを書き起こしました。
なかなか美しいじゃない!
さて。
次の段階は、試作に向けた準備です。
ん?
フレームをアルミで作る? どうやって? どこで?
まぁ、僕は金属加工もしたことがないので、とりあえずWebで調べた
「大田区産業プラザ Pio」に向かいます。
ここは、大田区の産業に関する様々な情報を紹介してもらえます。
NASAからも精密金属加工のオーダーが来る大田区の町工場を紹介してもらえれば、どこか良い工場に巡り会えるだろう。
京急蒲田駅からすぐのところにある
大田区産業プラザ Pioの2F、産業情報コーナーで
私「すみません、初めて伺ったのですがこのような製品を作ってくれるような町工場をご紹介していただくことは可能でしょうか?」
Pio「あ〜、変わった形だねぇ。。これ、鞄? 今大田区でも、こうゆうものを試作してくれるところは少ないんだけど・・・・、やってくれそうなのは、◯◯金属と◯◯ケースさんかな?ここの社長は男気あるから。」
と言って、住所と簡単な地図をいただきました。
ドラクエで言うと宝の地図ゲットです。滑り出しは順調です。
まるで「路線バスの旅」のような感じで、初めて乗るバスに揺られながら、工場に向かいがてら、こんなことを考えていました。
(妄想)
私「Pioの紹介で初めて伺いました。(中略)
このような鞄を作ろうと思っているんですが、ご協力いただけませんか?」
工場「なんだか珍しい鞄だねぇ。ウチは普段は◯◯を作っているんだけど、
新しいモノづくりに挑戦しようと思っていたところなんだよ。どうせ、他じゃ断られたんだろ(笑)? しょうがねぇなぁ、まぁやってみないとわからねぇけど、やってやるよ!」
Wow ビバ 町工場!
リアル「ガイアの夜明け」だ!
となるはずでした。
そりゃそうでしょう。Pioの紹介ですし。不況ですし。
モノづくり大国ですし。
しかし、
現実は。。。。(涙)
世界一美しい鞄を創る②へ つづく